80年代初頭、共産圏にはまだまだ蒸気機関車が活躍していました。東ドイツ以外の国では鉄道趣味
は全く認められておらず、軍事施設としての鉄道を撮影するなどもってのほかでした。そんな中F誌に
記事が掲載されていたPt29(旧ドイツ03型)が見たくてモスクワより列車でポーランド入りしました。
F誌の記事によると中部の中都市Bydgoszczに配置されているとのことでしたのでWarsawで乗り換
え早速Bydgoszczに向かいました。
Bydgoszcz駅は機関区の真横にあり、様々な蒸機がジャンジャン出区していく姿を見ることができま
した。1時間ほど撮影しTy42・Pt47・Ty2・Pt29・Ol49等が確認できたところで公安警察に見つかり、
事情聴取後残念ながらフィルムを没収され24時間以内のBydgoszcz退去を命ぜられてしまいました。
警察署長曰く「現在のポーランドでは歴史的な建物以外のものは撮影が認められていない」とのことで
した。したがって3本ぐらいは撮ったのですが、奇跡的に没収されなかった1本しか残っておりません。
自分がルールを守らなかったことが原因で、仕方ないことだとは思いますがとても残念です。
2007年5月、念願のポーランド再訪がかないました。保存とはいえこんなにも自由に撮れるとは思っ
ていませんでした。たった3日間ですが機関区の宿泊所に泊まり十分雰囲気を楽しむことができました。